初夏、よく晴れた日曜日
今日はいとこが来るわよ、とママ
それで僕は自転車に乗って
お気に入りのシャツで彼女を門の所まで迎えに行くのさ
笑顔で「こんにちは」
なんて言うようなタイプじゃないんだ、彼女は
クスクス笑って僕の頬をつねって
それから「こんにちは」って言うんだと思う
埃を巻き上げ、丘を駆け下りる
ごきげんな夏の曲を口笛吹いて
香り立つ森を抜け、丘を駆け下りる
聞いたこともない愉快な曲を口笛吹いて
笑顔で「こんにちは」
なんて言うようなタイプじゃないんだ、彼女は
クスクス笑って僕の頬をつねって
きっとそれから、こう言うのさ
「コンニチハ」
(小沢健二)